軽油を燃料とするディーゼル車は、長距離トラックなど頻繁に車両を使用する方が多く、なんと100万km以上の距離を走るものもあると言われています。しかし、適切な頻度と方法でしっかりとメンテナンスを行わなければ、部品の交換や修理が必要になり、高額の費用がかかってしまうこともあります。
ディーゼル車を長く快適に走らせるためには、添加剤を使ったメンテナンスがおすすめです。添加剤はさまざまなものが販売されているため、どれを選んでいいのかわからないという方も少なくないでしょう。
今回は、ディーゼル車用の燃料添加剤の選び方やおすすめのディーゼルエンジン添加剤について詳しく紹介します。

著者紹介
全米シェアNo.1の自動車用品(添加剤・洗浄剤)を扱うBG Japanの「ケミカル副社長」です。
BG Japanでは、自動車(ガソリン・ディーゼル)に使われている様々な潤滑油や洗浄剤を販売しています。BGの製品は、世界90カ国に輸出されており、10万店以上の自動車ディーラー、整備工場等で使用されています。
今回の記事ではディーゼル車のメンテナンスにおすすめの添加剤や添加剤の選び方について詳しく解説します。
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの車両の違い

ガソリン車とディーゼル車の違いを理解しておくことで、なぜ適切なタイミングでのメンテナンスが重要なのかについて知れます。
ここからは、ディーゼル車の仕組みについて詳しく解説します。
ガソリン車とディーゼル車の違い
ガソリン車とディーゼル車の違いは、燃料だけではなく燃焼の仕方や吸入空気の違いなどがあります。まず、ガソリン車はレギュラーガソリンやハイオクガソリンを燃料に走りますが、ディーゼル車は軽油が燃料です。
燃焼方法は、ガソリンエンジンの場合は吸入したシリンダー内に混合気を入れて火花を点火させて燃焼させます。ディーゼルエンジンの場合、空気を吸入したシリンダー内の圧を高めて、点火せず自己着火で燃焼させます。
ガソリンエンジンのように点火を行わず、大量に吸入された空気を圧縮して燃料を高温で噴射し、自己着火させるため、ディーゼルエンジンの圧縮比率はガソリンエンジンと比較して約1.5〜2倍と高圧になります。
ディーゼルエンジンに使われる部品は、高温、高圧に耐えられるよう重くて丈夫なものが使われるため、部品の交換費用や修理代は高くなる傾向にあり、適切なメンテナンスが重要になってくるのです。
ディーゼルエンジンの構造
ディーゼルエンジンには、インジェクターやDPFなどの部品があります。インジェクターとは、エンジンが液体燃料を燃焼させて動くときにインジェクターによってエンジンの状態を最適にコンピューターで制御しながら、液体燃料の噴霧量や噴霧のタイミングをコントロールする役割を持っています。
インジェクターはガソリンにもありますが、ガソリン車のインジェクターは燃料の吸入・圧縮・膨張・排気の4行程の最初の吸入時に、エンジンポート内にガソリンを噴射して空気と混ぜて混合気を作ります。また、エンジン内で圧縮された混合気にピストンが上がり、点火プラグから火花を飛ばして燃焼させる仕組みの「ポート噴射式インジェクター」が搭載されています。
ディーゼルエンジンのインジェクターは、吸入時に混合気ではなく空気のみを吸入してインジェクターから直接エンジンのシリンダー内に霧状の軽油を噴射し、強く圧縮されて高温になった空気をシリンダー内で自然発火させる「気筒内直接噴射式(直射式)」が使われています。
さらにディーゼルエンジン車には、エンジンで軽油を燃やして車を動かす際に出るPM(有害物質)をとらえて燃やし、きれいな空気を排出するためのDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)も設置されています。
ディーゼル車は、このインジェクターとDPFの装置によって、クリーンな空気を排出しながらパワフルな走りを実現しているのです。
ディーゼルエンジンの特徴
ディーゼルエンジンには、CO2の排出量が少ない、トルクが強い、燃料が安い、故障が少ないなどの特徴があります。
DPFで排気ガスを浄化してから排出しているため、CO2の排出量が少なく、環境負荷の低減にも貢献しています。また、トルクが強く、パワーのある走りが可能なので、トラックや大型バスなどにディーゼルエンジンが積まれているのも納得です。
さらに、軽油はガソリンよりもコストが安い点も特徴です。また、高圧縮で燃焼するため点火が不要で熱効率が高く、燃費が良いため故障しにくいといわれています。
ただし、ディーゼルエンジンの構造上、DPFのような浄化装置を付けなければならず、交換や修理などのコストは割高になります。そのため、なるべく部品の交換や修理をせずに長く走るためには、適切なタイミングと方法でのメンテナンスが大事になってくるのです。
ディーゼルエンジンの故障の原因

DPFやインジェクターの不具合を放置しておくと、さまざまな不調が現れてくるため、事前に原因について知っておくことが大切です。
ここからは、ディーゼルエンジン車の故障の原因について紹介します。
ススが燃焼できない
高圧でポンプから送られてくる燃料は、インジェクターの噴射部分の先端のバルブで微粒子化されて噴射されますが、正常な状態の場合は霧吹き状で着火し、燃焼温度が500〜600℃まで上がり、DPF内のススをきれいに燃やします。
ただし、インジェクターにカーボンやワニス、スラッジなどの物質が溜まっていると、インジェクターが目詰まりを起こし、燃料がきれいに噴射されなくなり、エンジン内の燃焼温度も300〜400℃までしか上がらなくなります。
必要な温度まで上昇しないとDPF内のススが燃焼できずに残り、強制再生の回数や時間が増えるといった症状が現れるでしょう。
不完全燃焼が起きる
エンジンは燃焼することで車を動かしていますが、燃焼温度が低いままだとススの発生量が増えて不完全燃焼を起こします。燃えなかったススは、詰まりの原因になります。
アッシュが詰まる
エンジンオイルは、エンジン内で動きを滑らかにしたり、サビを防いだりする役割を果たしていますが、このオイルが排気と一緒に流れてくると詰まってしまことがあります。
DPFの溶損
フィルターに詰まったススやオイルが正常に燃焼されないと、DPF自体が溶けて壊れてしまうこともあります。
不完全燃焼やアッシュの詰まりなどを放置していると、さらに深刻なDPFの溶損の原因になってしまうこともあります。
DPFが溶けてしまうと、有害な排気ガスを濾過する力が大きく低下してしまう上で、DPFを交換しなければならず、高額な費用がかかります。
ディーゼルエンジン車のこんな症状には注意
ディーゼルエンジンの不調は、車全体にさまざまな不具合を生じさせます。
- エンストするようになる
- エンジンがかかりにくくなる
- 車体やエンジンの振動が増える
- エンジンから異音がする
- 頻繁にDPFの警告ランプが点灯する
- DPFの再生頻度が高くなる
- DPFの再生に時間がかかる
- 加速の低下やトルク不足が起こる
- 黒煙や白煙が増える
このような症状が現れたら、ディーゼルエンジンの不調を疑った方がよいでしょう。
なるべく定期的に添加剤などでメンテナンスを行い、もしそれでも改善が見られないようであればディーラーや整備工場に点検してもらう必要もあるかもしれません。
ディーゼルエンジンに添加剤を使うメリット

ディーゼルエンジンに添加剤を使うことで、効率よくエンジン内の汚れや詰まりを解消し、快適な走行ができます。また、コストも比較すると分かりますが、最低限に収めることが可能となります。
DPFの洗浄
添加剤を使うことで、DPF内に溜まったススや汚れなどを洗い流せます。DPFのセンサーは、一定の量のススが溜まるとススを燃やすために燃焼装置のスイッチが入り、ススをきれいに燃やすのが通常の動作です。
適温の500〜600℃まで加熱されればススは燃えますが、汚れが溜まっていて適温まで上がらない場合、ススが燃えずに残ってしまうため強制再生(燃焼)を頻繁に行うようになります。燃料添加剤を使えば、DPF内の溜まったススを洗浄して正常に稼働させられます。
ススが溜まったまま放置すると、メンテナンスでは不具合が解消せずDPFの交換ということにもなりかねません。交換には高額な費用がかかります。費用感について後ほどご紹介します。
インジェクターの目詰まりを取る
インジェクターの目詰まりは、軽油を燃焼する際に発生したカーボンやオイルの燃えカス、スラッジの原因となる粘着性のあるワニスなどが噴射口に溜まってきて起こります。
インジェクターが目詰まりするとトルクが不足し、エンジンがかかりにくくなったり加速の低下を感じたりするなどの不具合が見られるようになるでしょう。
ディーゼル用の添加剤を定期的に使えば、カーボンや燃えカス、スラッジなどを取り除けるのでインジェクターの目詰まりを防げます。
強制再生の回数の減少
燃料タンクの軽油は、燃料ポンプを通ってエンジン内を循環しています。エンジン内にあるインジェクターの噴射部分から、軽油は微粒子化されて噴射されるようになっています。
インジェクターに不具合がなければ、軽油は霧吹き状にきれいに噴射されて、燃焼温度は500〜600℃まで上がりDPF内のススはきれいに燃やせますが、インジェクターに汚れが溜まり目詰まりが発生していると、エンジン内部の燃焼温度が低下、DPF内の温度も低下してススが燃えきらずに残ってしまいます。
添加剤を使えばススの燃え残りがなくなるため、残ったススを燃焼させようと強制再生の回数が増えることもなく、DPF内の温度も一定を保てるでしょう。
コストを抑えることが可能
不具合などを放置すると業者に頼んで洗浄や交換が発生してしまうため、高額なコストがかかってしまいます。それに比べて添加剤は、最低限のコストに抑えることができるのも魅力の一つです。
■DPFの洗浄
約7〜10万円
■DPFの交換
2トン車:約40万円〜50万円
4トン車:約60万円〜70万円
10トン車:約100万円〜120万円
■インジェクターの洗浄
約10万円
■インジェクターの交換
(シングルポイント):約2万3千円〜2万8千円
(マルチポイント):約9万8千円〜14万円
(筒内噴射式):約18万8千円〜32万円
■添加剤
BGの洗浄器具を使用する場合(1回):約1万2千円〜2万円BGのDPF添加剤を使用した洗浄(1回):約9千円
ディーゼルエンジン用の燃料添加剤の選び方
ディーゼル車用の添加剤として、さまざまなものが販売されています。
効果を実感するためにも、車両に合う添加剤を選ぶ必要があるため、選び方のポイントをお伝えします。
エンジンの種類で選ぶ
ガソリン車やガソリンで動くハイブリッドカーなら、多くの製品が販売されているので、一般的な添加剤を選べば問題ありません。しかし、軽油を燃料とするディーゼル車の場合は、必ずディーゼル専用の添加剤を選びましょう。
効果に合わせて選ぶ
車の不具合や改善したい症状などに合わせて添加剤を選びましょう。
たとえば、燃費を改善したいならオイル性能を高めるもの、エンジンの振動や異音が気になるならエンジンの機能を回復させる効果があるもの、エンジンオイルが漏れているようであれば、オイル漏れ防止効果のあるものなど、製品を使うことで得られる効果についてもチェックしてみると良いでしょう。
使いやすいものを選ぶ
添加剤は安全性が高く、メンテナンスしやすいものを選びましょう。車に副作用の影響を与えず、簡単に使えるものであればこまめにメンテナンスができます。
分かりやすい解説で使用方法を明記してくれている商品も多いので、事前に使用方法についてもチェックしておくと良いでしょう。
ディーゼルエンジン専用の燃料添加剤でおすすめなのは「BG」

ディーゼルエンジン車の燃料添加剤でおすすめなのは、BGの添加剤です。BGの添加剤は、安全性の高い成分のみを使用し、車両への副作用もありません。
特許の関係で、他社ではBGと同じレベルの製品は作れないため、他社製品よりも高い安全性が強みです。
また、BGの添加剤は部品を外したり取り換えたりする必要はなく、燃料タンクに入れるだけととても簡単です。BGの製品を使用して「添加剤を入れるだけで改善した」という多くの声や実績がすでにありますので、初めて添加剤を使う場合でも安心して使えるでしょう。
BGの燃料添加剤の特徴
そのほかにもBGの添加剤には、さまざまな特徴があります。
燃料系統全般をコーティング
BGの添加剤は、安全に世界中のディーゼルエンジンに使えるものです。付着したスラッジ(燃えカス)を柔らかくし、微粒子レベルにまで分解して燃焼させるため、燃料系統全般をコーティングできます。
カーボンやスラッジなどの汚れが再び付くのを防げるので、何年経っても改善しながら使用できます。燃料ライン全体の汚れを溶かして液体化してから燃やして消滅させるので、固形物の汚れが残ってエンジンに送られることもありません。
作業前のエレメント交換は不要で、噴射ノズル・高圧コモンレール式インジェクター、ユニットインジェクターなどにも使用できます。
8割の不調が直る
ディーゼルエンジンのトラブルを解消するためには、一般的には部品交換や、丸洗い洗浄などの修理が必要です。コストがかかるうえに、業者に修理に出している間は車両を使用できなくなります。
しかし、BGの添加剤なら、部品の交換や取り外し洗浄などは不要で約8〜9割の不具合が直ります。燃料タンクに入れるだけで直る実績がすでにあるので安心して使えるでしょう。
残りの2割の原因も分かる
BGの添加剤でほとんどのトラブルが直りますが、直らなかった残りの不具合の原因も明確に分かる点が大きな特徴といえます。
たとえば、アッシュがエンジンオイルの中に入っている石灰に飛んでいくことで起こる故障は洗浄すれば直りますが、洗浄で直らない場合は、部品故障が原因と壊れた原因を特定できます。回復後の正常な状態が長い
BGの製品は安全性が高いため、エンジンへの副作用がなくメンテナンスが行えるので、使用した後の正常状態の持続年数が長く続きます。
トラックのような使用時間が長く、頻度が高い車両でも頻繁に洗浄する必要がなく、エンジン交換までの期間も長くなり、快適な状態で車を走らせられるでしょう。
BGの燃料添加剤の使い方を解説
BG添加剤の使い方はとても簡単です。専用の洗浄器具「インジェクターフラッシュ」を使う方法と、燃料タンクにそのまま添加剤を入れる方法を詳しく紹介します。
専用洗浄器具を使うやり方

BGの添加剤のおすすめの使い方は、専用洗浄器具を使用する方法です。インジェクターフラッシュ専用器具を使うことで、インジェクターの汚れが目で確認でき、液剤がきれいに循環されるのも分かります。より効果を早く実感できるため、おすすめです。
【手順】
- タオルを当てながら燃料タンクの上部のホースを外す
- 専用アダプターの黒を戻り側、赤を送り側のホースへ差し込む
- 赤と黒のホースがタンクの送りと戻りのホースにつなげてから、洗浄機(インジェクターフラッシュ専用器具)の蓋を開けて青ラベルの「ディーゼルケア」と紫ラベルの「DFCプラスHP」の液剤を洗浄機に注入する
- 洗浄機に専用のフィルターを装着して蓋を閉める
- 2液を入れて軽く混ぜ合わせ洗浄機のバルブを緩める
- 洗浄機のコックを開けて軽くホース中のエアを抜く
- エンジンを始動させアイドリング回転しながら洗浄を始める
- 洗浄液が減って少しずつ汚れが落ちていくのが見えたら、エアがかまないよう洗浄液を少し残してエンジンを停める
- 二段階洗浄のために燃料タンクに再び紫ラベルの「DFCプラスHP」を注入する
- 最後にアイドリングを10分程度行う
直接燃料タンクに入れるやり方

直接タンクに入れる場合は、紫ラベルの「DFCプラスHP」のみを使います。DFCプラスHPを軽油燃料タンクに入れるだけでやさしく、ゆっくり洗浄してくれます。
製品の安全性が高いため、多めに添加剤を入れても問題ありません。注入前後の燃料フィルター交換やオイル交換などは不要です。
エンジンの中の軽油の残量が少なくても使用できますが、満タンにした方が洗浄作用が長く続くので経済的でおすすめです。
注入後もかくはんする必要はありませんが、時間的に余裕があれば10分程度アイドリングをすると直りが少し早くなるのを実感できます。定期的にDFCプラスHPを使ってメンテナンスをする場合は、3〜6か月ごとに添加してください。
DFCプラスHPの詳細はこちら添加剤の使用量
BGの添加剤の使用量の目安は以下になります。ボトルの側面の目盛を参考に添加してください。
軽油(デミオ、CX5、ハイエース、キャラバン、ボンゴなど):約50Lに対して1/2本添加
軽油(2t、4t 車など):約200L〜400Lに対して1本を添加
軽油(10t、大型車):約200~400Lに対して1〜2本を添加(ダブルタンクの場合)
ディーゼルエンジンはおすすめの添加剤でメンテナンスを
ディーゼルエンジンは、ガソリン車よりも寿命が長いといわれていますが、適切な頻度と方法でメンテナンスを行う必要があります。エンジン系全体の洗浄を行うなら、添加剤を使うのがおすすめです。
安全性が高く、メンテナンスしやすいものを選びましょう。世界中のディーゼル車に使われているBGの添加剤なら車への副作用がなく、安心して使えますので是非お試しください。
BGの添加剤について詳しく知りたい方はこちら