ディーゼルエンジンのインジェクターの詰まりの原因や予防方法を徹底解説

ディーゼルエンジンのインジェクターの詰まりの原因や予防方法を徹底解説

インジェクターはエンジン内にある部品であり、ディーゼル車が走行する際に欠かせない役割を果たしています。インジェクターに不具合が発生すると車のあらゆる不調につながるため、快適な走りを維持するためにも適切なメンテナンスは欠かせません。

本記事では、ディーゼル車のインジェクターの種類やトラブルの原因、コストを抑えて簡単にメンテナンスできるおすすめの添加剤などについて詳しく紹介します。

インジェクターの機能とは

エンジンは、液体の燃料を燃焼させて動きます。液体燃料を噴射させるのがインジェクターで、最適なエンジンの状態をコンピューターで制御しながら噴霧量や噴霧のタイミングをコントロールし、適切な燃料を供給する役割があります。

ディーゼル車は軽油を燃料に使うため、ガソリン車のインジェクターと比較すると高圧で噴射する点が特徴です。高圧噴射を繰り返すことで、エンジン内部の温度は高くなりススや汚れが詰まりやすく定期的なケアが必要となる部品です。

インジェクターの仕組み

インジェクターは、エンジン内部にある細長い形の部品です。インジェクターには、燃料の通り道が作られており、燃焼室に行く前に通り道から燃料が噴射されます。燃料の通り道の中には、コンピューターによって燃料の量を調節するバルブがあります。

燃料の噴射はインジェクターにある噴射弁(ノズル)と呼ばれる部分から細かい霧状にして噴射され、エンジンの中で空気と混ざり合い燃焼が起こる仕組みです。インジェクターの働きが正常であれば、燃料は霧吹き状で噴射されて着火し、燃焼温度は500〜600℃まで上がります。500〜600℃まで温度が上昇するとDPF内のススがキレイに燃やされ、排気ガスもクリーンなものが排出されます。

しかし、インジェクターが詰まってしまうとエンジンの燃焼温度が低下し、浄化装置であるDPFの働きも悪くなってしまいます。インジェクターは、適切な燃料供給と効率的な燃焼により、排ガスの量や有害物質を減らすことができるため、環境維持にも重要な役割を持つ部品なのです。

インジェクターの種類

インジェクターはガソリン車用とディーゼル車用の2つの種類があります。

ガソリンエンジン用のインジェクターは、ポート噴射式インジェクターといい、燃料の吸入・圧縮・膨張・排気の4行程のうちの最初の吸入の際に、エンジンポート内にガソリンを噴射して空気と混ぜて混合気を作り出します。エンジン内でピストンが上がって圧縮された混合気に、点火プラグから火花が飛ばされると燃焼して車が動く仕組みです。

一方、軽油で走るディーゼルエンジン用のインジェクターは、気筒内直接噴射式(直射式)と呼ばれます。軽油とガソリンは燃料の燃焼の仕方に違いがあるため、軽油を燃料とする車両の多くは気筒内直接噴射式インジェクターを使用しています。

ディーゼルエンジンは、吸入時に混合気ではなく空気のみが吸入され、インジェクターから直接エンジンのシリンダー内に霧状の軽油が噴射されます。ディーゼルエンジン内の空気圧縮はガソリンの約1.5~2倍で、強く圧縮された空気は高温となるため、燃料が噴霧されると点火の必要なくシリンダー内で自然発火が起こります。

そのため、気筒内直接噴射式インジェクターは、高圧縮力に耐えて正確に燃料噴射を行えるように頑丈に作られています。

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの違い

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンは、燃料や吸入する空気、燃焼方法などが異なります。

ガソリンエンジンはレギュラーやハイオクなどのガソリンを燃料とし、燃焼して車が動きます。ディーゼルエンジンは、軽油が燃料です。ガソリンは可燃性で火を近づけると燃えますが、軽油は熱を加えたときに着火しやすいという性質の違いがあります。

また、ガソリンエンジンは燃料と空気が混ざった混合気をシリンダー内で吸入しますが、ディーゼルエンジンは空気のみを吸入し、シリンダー内に噴射します。混合気を吸入したシリンダー内でスパークプラグ火花を使って点火するのがガソリンエンジンで、ディーゼルエンジンは空気を吸入したシリンダー内の圧を高めて燃料を噴射させ自己着火で燃焼させます。

そのため、ディーゼルエンジン内の空気圧はガソリンエンジン内の空気圧に比べて約1.5〜2倍高圧になるのです。

ディーゼルエンジンのメリット

ディーゼルエンジンには、次のようなメリットがあります。

・トルクが強い
・CO2の排出量が少ない
・燃料が安い

ディーゼル車は、ガソリン車に比べてトルクが強いため、エンジンのパワーが高く車両を動かす力も大きいです。バスやトラックなどの大型車にディーゼルエンジンが積まれているのもそのためです。

また、ディーゼル車はガソリン車に比べてCO2の排出量が少なく、地球温暖化の防止にも役立ちます。 さらに、ディーゼル車の燃料である軽油は、ハイオクガソリンとレギュラーガソリンに比べて安いため、コストを抑えられます。

ディーゼルエンジンのデメリット

ディーゼルエンジンのデメリットには次のようなものがあります。

・有害物質を排出する
・メンテナンスの費用が高い

ディーゼル車は、特有の粒子状物質PMやNOX(窒素酸化物)を排出します。そのため、排気ガスをクリーンにするためのDPFなどの浄化装置の装備が必要です。また、DPFなどの部品や強い燃焼力に耐えるための耐久性の高い部品を使用するため、メンテナンスや修理のコストが高くなってしまう点がデメリットといえるでしょう。

ディーゼル車のインジェクターのメンテナンスが大切な理由

インジェクターは、ディーゼル車が走る際に常に稼働する部品です。そのため、燃料の燃焼によって発生したカーボンや燃料、オイルの燃えカス、スラッジの原因となる粘着性のあるワニスなど、さまざまな物質がインジェクターの噴射口に溜まってしまい目詰まりを起こします。

特に、長期間動かしていない車両は、インジェクターに詰まった物質が凝固してしまい、エンジン始動のトラブルが発生する場合もあります。

インジェクターが目詰まりを起こすと、次のような不調が車両に現れます。

  • エンジンがかかりにくくなる
  • エンストするようになる
  • 車体やエンジンの振動が増える
  • エンジンから異音がする
  • 加速の低下やトルク不足が起こる
  • 頻繁にDPFの警告ランプが点灯する
  • DPFの再生頻度が高い、または時間がかかる

インジェクターは不具合が起きるようになると、寿命が近いので交換しなければいけないケースも少なくありません。そのため、定期的なメンテナンスを行い、インジェクターが詰まらないようケアすることが大切です。

ディーゼル車のインジェクターの不調を改善する方法

ディーゼル車のインジェクターに不具合が生じた場合の改善方法はいくつかあります。

洗浄剤を使う

インジェクター専用の洗浄剤を使って洗浄します。インジェクター専用洗浄剤は、自動車用品店やオンラインなどで購入ができます。洗浄剤を使う際は、エンジンを止めてインジェクターを取り外してから行いましょう。

取り外したインジェクターを洗浄剤を入れた洗浄装置に取り付けて、洗浄装置を作動させて洗浄剤をインジェクターに回し汚れやカーボンを溶け出して洗います。洗浄が終わったら洗浄剤を排出して、インジェクターを元の場所に取り付けましょう。

インジェクターを取り外して洗う

インジェクターを取り外してピンポイントで汚れや詰まりを洗浄します。重点的に汚れを落とせるため、よりキレイな状態にできて燃焼の効率を上げることも可能です。ただし、インジェクターを取り外して洗う場合は専門的な知識や経験が必要です。

適切な洗浄方法を行わなければいけないため、自分で行うよりも専門の整備士などに相談する方がよいでしょう。また、洗浄作業には超音波洗浄機やパーツクリーナーなどを使うため、事前にこれらのコストがかかります。

インジェクターの洗浄にかかるコストの相場は、以下の通りです。

インジェクターを洗浄する場合のコスト

インジェクターを洗浄する場合:約100,000円

インジェクターを交換する

インジェクターは新車から約10万km走ったとき、または約10年を目安に交換します。交換時期に近い車両はインジェクターを交換すれば、不具合が改善し快適な走りができるようになるでしょう。

ただし、長距離運転に使用する車両やエンジンの状態などによっては、交換時期の目安よりも早くインジェクターの寿命が来る場合があります。

インジェクターを交換する場合のコスト

シングルポイントインジェクション:約23,000円~28,000円

マルチポイントインジェクション:約98,000円~140,000円

直噴式インジェクター:約188,000円~320,000円

シングルポイントインジェクションとは、インジェクターを1つしか使用しない電子制御エンジンのことです。このタイプは初期のもので、現在はシングルポイントインジェクションを使用している車両は数が少ないです。

一般的な乗用車の場合は、マルチポイントインジェクションまたは直噴式のいずれかがほとんどでしょう。

添加剤(インジェクタークリーナー)を使う

燃料タンクに添加剤を入れて、インジェクターを洗浄する方法もあります。専用の洗浄剤を使うよりも手順も簡単でおすすめです。添加剤の種類はいろいろありますが、車種に合う適切なものかつ安心して使えて効果が実感できるものを選びましょう。

BGの添加剤を使用する場合にかかるコストの相場は、以下の通りです。

BGの添加剤を使う場合のコスト

洗浄器具を使用する場合:1回の洗浄で約12,000円〜20,000円
添加剤を燃料タンクに添加する場合:1回の洗浄で約9,000円

ディーゼル車の洗浄にBGの添加剤(インジェクタークリーナー)がおすすめの理由

ディーゼル車のインジェクターを添加剤で洗浄する場合は、BGの添加剤がおすすめです。BGのインジェクタークリーナーは発火剤を使用していないため、車両やエンジンへの負担がなく、回復後も正常な状態を長く持続できます。

特許の関係でBGと同じレベルの添加剤は他社では作れないので、ほかの商品よりも安全性が高いのが大きな特徴です。そのほかにも、BGのインジェクターの添加剤にはさまざまな強みがあります。

不具合の原因がわかる

添加するとほとんどの不調が直りますが、直らなかった場合のトラブルの原因も明確にわかります。

たとえば、フラッシングから1〜3日経っても補正値の数値に変化がない、もしくは悪化してきた場合は、フラッシング前からインジェクターがすでに破損や溶解していたと判断ができます。

数値の悪化は、生きているインジェクターが息を吹き返して死んでいるインジェクターの働きをカバーするため、噴射量が増減することが原因のためです。

燃料系統全般をコーティングする

BGの商品は、世界中のディーゼルエンジンで安全に使われている添加剤です。付着したスラッジを柔らかくして、微粒子レベルに分解し燃焼させて燃料系統全般をコーティングし、カーボンやスラッジ等の汚れが再び付くのを防ぐため、何年経っても改善を続けながら使用できます。

さらに、噴射ノズル・高圧コモンレール式インジェクター、ユニットインジェクターを問わずに使用できる点もメリットです。燃料ライン全体の汚れを溶かして液体化し、燃やして消滅させるので固形物の汚れがエンジンに送られることがなく安全です。作業前のエレメント交換も必要ありません。

燃料タンクに入れるだけ

BGの添加剤を使えば、部品を外したり取り換える必要はありません。燃料タンクに入れるだけで改善できるのもおすすめの理由の一つです。

すでに「添加剤を入れるだけで改善した」という多くの声や実績があるため、安心して使用できます。また、BGの製品を使えばインジェクターを最適な状態に保つことが可能です。

コストが抑えられる

BGの添加剤を使えば、インジェクターを交換せずに長く良い状態を保てるためコストを抑えられます。

BGのクリーナーと洗浄器具を使用する場合、コストは1回あたり約12,000円〜20,000円です。さらに、添加剤を燃料タンクに添加するだけなら1回あたり約9,000円で済みます。

BGの添加剤(インジェクタークリーナー)の使用方法

BGの添加剤の使い方を詳しくご紹介しましょう。専用の洗浄器具を使う方法と燃料タンクにそのまま入れる2つの方法があります。添加剤は、紫のラベルの「DFCプラスHP」と青いラベルの「ディーゼルケア」の2種類があります。「インジェクターフラッシュ専用器具」を使用して清掃する場合はどちらも使いますが、洗浄器具を使わない場合は、紫ラベルの「DFCプラスHP」のみを使用します。

「インジェクターフラッシュ専用器具」を使う場合

「インジェクターフラッシュ専用器具」を使用することで、インジェクターの汚れが目視で確認できます。また、専用洗浄器具を使用した方が液剤がキレイに循環され、効果を早く感じられるというメリットもあります。

具体的な手順は、次の通りです。

1. タオルを当てて燃料タンクの上部のホースを外す
2. 専用アダプターの戻り側の黒のホースと送り側の赤のホースを差し込む
3. 赤と黒のホースがタンクの送りと戻りのホースにつながったら、洗浄機(インジェクターフラッシュ専用器具)の蓋を開け、青ラベルの「ディーゼルケア」と紫ラベルの「DFCプラスHP」の液剤を洗浄機に注入する
4. 洗浄機に専用のフィルターを装着し洗浄機の蓋を閉める
5. 2液を入れて軽く混ぜ合わせたら洗浄機のバルブを緩める
6. 洗浄機のコックを開けてホース中のエアを軽く抜く
7. エンジンを始動させアイドリング回転で洗浄をスタートする
8. 少しずつ汚れが落ちて洗浄液が減っていくのを目視したら、エアがかまないよう洗浄液を少し残してエンジンを停める
9. 二段階洗浄のために燃料タンクに再び紫ラベルの「DFCプラスHP」を注入する
10. 最後に10分程度アイドリングして完了

「DFCプラスHP」のみ使用する場合

インジェクターフラッシュ専用器具を使用しない場合は、紫ラベルの「DFCプラスHP」のみを軽油燃料タンクに入れるだけで完了です。安全性が高いため、少し多めに添加剤を注入しても問題ありません。

「DFCプラスHP」は洗浄力がやさしく、ゆっくり洗浄していくので安全に使えます。燃料タンクの中の軽油の残量が少なくても使用できますが、満タンの方が洗浄作用が長く続くので経済的でおすすめです。

また、注入後のかくはんは不要ですが、もし時間があれば10分程度アイドリングすると直りが少し早くなるのを実感できるでしょう。定期的に洗浄する場合は、3〜6か月ごとに添加するのがおすすめです。使用する際に、注入前後の燃料フィルター交換やオイル交換などは必要ありません。

添加剤(インジェクタークリーナー)の使用量

使用量の目安は次の通りです。

使用量

軽油(デミオ、CX5、ハイエース、キャラバン、ボンゴなど):約50Lに対して1/2本
軽油(2t、4t 車など):約200〜400Lに対して1本
軽油(10t、大型車):約200~400Lに対して1〜2本(ダブルタンクの場合)

ボトルの側面の目盛りを参考にして、添加するとよいでしょう。

DFCプラスHPは、建機、船舶、発電機、コンプレッサーなど軽油を燃料とするすべてのディーゼル・エンジンに使えます。

ディーゼル車のインジェクターは添加剤でメンテナンスを

ディーゼル車のインジェクターは、ガソリン車に比べて高圧で使用するため、長く使っていると経年による劣化や目詰まりなどの不具合が生じます。

快適な走りとクリーンな排気ガスを排出するためにも、定期的なメンテナンスが重要です。メンテナンスの方法はいくつかありますが、安心して使えるBGの添加剤を使えば、コストを抑えてよい状態を長く保てるでしょう。

BGのインジェクタークリーナーについて詳しく知りたい方はこちら
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