ご存知の通りエンジン警告灯は、車両のコンディションが正常かどうかを伝える重要なサインです。もしランプが点灯・点滅したときに適切な行動が取れるよう、再度基本をしっかりと押さえておきましょう。
今回はエンジン警告灯の基本についてや対処法、予防に役立つエンジンオイル添加剤についてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

著者紹介
全米シェアNo.1の自動車用品(添加剤・洗浄剤)を扱うBG Japanの「ケミカル副社長」です。
BG Japanでは、自動車(ガソリン・ディーゼル)に使われている様々な潤滑油や洗浄剤を販売しています。BGでは、最新・最先端の技術で製品を作っており、科学に基づいた製品を使うことにより、車両をより良い状態で維持できます。
今回の記事では、エンジン警告灯について解説します。また、再発防止や予防整備の選択肢として知っておくべきエンジンオイル添加剤についてもご紹介します。
エンジン警告灯の基本をおさらい

エンジン警告灯は、エンジン制御システムに不具合が生じた際に異常を知らせるためのランプです。複数のセンサーがエンジン内部や排出ガスの状態を常時チェックし、問題があるとシステムが警告を出します。車両自体の安全性やパフォーマンスにもかかわる重要な指標なので、点灯時には軽視せずに確認を進める必要があります。
一般的に、このランプが点灯や点滅をするときは車両コンピューターがエラーコードを記録していることが多いため、正確に原因を特定するにはプロの整備士のしっかりとした知識が必要です。
また、エンジン警告灯が一瞬だけ点灯して消えた場合でも、異常が解消されたとは限りません。センサーの接触不良や断続的な燃料系トラブルなど、一時的に症状が収まっただけの可能性があります。後々大きな修理が必要になるケースもあるため、早めの点検が欠かせません。
エンジン警告灯が果たす役割と重要性
エンジン警告灯は、いわば車の自己診断システムの一端を担っています。燃焼状態や排気ガス成分を監視し、何か異常があれば即座に警告灯を点けてドライバーに知らせるのです。
この機能のおかげで深刻なエンジントラブルが発生する前に手を打てるため、安全性を確保するうえでも非常に重要な存在となっています。
エンジン警告灯は何を知らせるのか
エンジン警告灯はエンジン内部の燃焼不良や排気系のつまり、さらには電気系統の異常など多方面の不具合を知らせるサインです。
具体的にはセンサー異常、燃料の噴射量の誤差、排気ガス中の酸素濃度異常などが検知されると点灯します。故障個所が一カ所ではない可能性もあるため、正確な原因究明が欠かせません。
エンジン警告灯が点灯・点滅する主な原因

警告灯が示す内容はさまざまですが、よく見られるのがセンサーのトラブルです。O2センサーやエアフローセンサーなどが誤作動を起こすと、正確な空燃比や吸気情報が得られず、エンジン制御に支障をきたします。適切な燃焼ができない状態は環境にも悪影響を及ぼすため、早めの対処が求められます。
燃料や排気関連の異常も見逃せません。燃料噴射量が適切でないと、エンジンに必要なパワーが得られないうえに有害物質の排出量が増え、排気装置にも負担がかかります。排気装置が詰まったり故障したりすると警告灯が点灯することが多く、放置すればエンジン全体に影響が広がる危険性があります。
さらに、イグニッションやバッテリー系の不具合も原因のひとつです。点火プラグが正しく火花を飛ばさない、バッテリーが劣化して電力供給が不安定になるなど、エンジンの動作に支障が出るケースは少なくありません。走りに違和感を覚えた際は、早めにチェックすることで重大なトラブルを防げます。
センサー系のトラブル(O2センサー、エアフローセンサーなど)
センサーはエンジン管理の要ともいえる存在で、空燃比や吸気量情報をコンピューターへ送信しています。
これらの数値が狂うと燃焼効率が著しく下がり、警告灯点灯の原因となります。センサー類の交換費用は部品代も含めて数千円から数万円ほどかかるため、整備士の早期発見と適切なメンテナンスが重要です。
燃料や排気系統の異常
燃料系統や排気系統の詰まりや故障があると、エンジンのスムーズな燃焼を妨げます。
チェックエンジンランプが点灯した状態で走行を続けると、部品への負荷が増大し、結果的に修理費用が膨らむ場合もあります。定期的な整備と高品質な燃料の使用でトラブルを抑えられることが多いです。
イグニッションやバッテリー系の問題
イグニッションコイルや点火プラグ、バッテリーの不具合は始動トラブルのほか加速不良、アイドリング不調を引き起こします。
警告灯が点灯していなくても不具合に近い症状が発覚した場合は点検で入念に調べることが大切です。放置するほど修理範囲が拡大する可能性があるため、バッテリー上がりなどにも注意が必要です。
警告灯の色と点滅パターンでわかる危険度

大きく分けて、赤色の警告灯とオレンジ色(黄色)の警告灯、そして点滅という形式があり、それぞれが示す意味は異なります。整備士の方ならご存知の通り、色や点滅のタイミングによっては、すぐに停車が必要なほど危険度が高いことを意味する場合もあります。
赤色のランプは車内システムに深刻な不具合が生じている証拠で、オイル漏れや冷却水の異常など重大な損傷につながる可能性があります。オレンジ色は、“要チェック”の段階ですが、放置を続ければ大きな問題に発展しかねません。いずれにしても、速やかな点検がトラブルの拡大を防ぐカギとなります。
点滅の状態も要注意です。点灯だけでなく点滅が見られる場合、センサーが重大な異常を感知している恐れがあります。そのまま走行を続けるとエンジン保護機能が働きパワーダウンするケースも考えられるため、できるだけ早急に対応するのが望ましいでしょう。
赤色の警告灯:放置厳禁
赤色は最も深刻な異常を示すサインであり、至急の対処が必要となります。オーバーヒートやオイル不足など、走行を続けるとエンジンを大きく損傷する怖れがあるからです。
もし赤色警告灯が点灯したら、安全な場所に停車して速やかに整備工場への連絡が必要ということを予めユーザーさんに伝えてあげることが大切です。
オレンジ色(黄色)の警告灯:早めの点検が必要
オレンジ色(黄色)の警告灯は、エンジンや排気系統に何らかの問題があることを示しています。赤色ほどの緊急性は低めですが、それでも早急に原因を調べる必要があります。
放置すれば燃費が悪化したり、部品の劣化が進んだりするので、持ち込まれた際はできるだけ早く対処しましょう。
点滅する警告灯:緊急性が高い可能性
警告灯が点滅している場合は、システムが重大な異常を検知している合図です。センサーが通常とは異なる数値を拾っており、故障箇所が広範囲に及ぶこともあります。
無理に走り続けるとエンジン保護機能が作動し始め、車のパワーが著しく低下する場合もあるため、この場合も早急な点検と対処が必要です。
エンジン警告灯が点灯した際の正しい対処法

まずはエンジンの異音や振動の有無をチェックします。空ぶかしや再始動を繰り返すと状況を悪化させる可能性があるため、避けます。エンジンオイル量や冷却水の量などの簡単に確認できる項目も大切なチェックポイントになるため、しっかりと確認しましょう。もし深刻な漏れや極端な不足に気付いた場合は、迅速対処を行いましょう。
知っての通り、点灯した状態を放置すると故障に発展する恐れがあるため、原因を迅速に特定して適切な処置を施すことで、車の寿命を延ばし安全性も高められます。
ケース別の対策:症状に応じた注意点

はじめは軽度の不調でも、放置するとセンサー類や電子制御部品の負担が増え、重大な故障へとつながることがあります。警告灯の点灯・点滅が断続的に起きているときは特に要注意です。複数の要因が絡んでいる場合も考えられるため、症状が続くようなら早急な対応が必要でしょう。
エンジン警告灯が点いたり消えたりする場合
センサーの接触が不安定だと、エンジン警告灯が断続的に点灯や消灯を繰り返すことがあります。一時的にエラーが解消されたように見えても根本原因は解決していないケースが多く、後々大きな故障へ発展する恐れがあるのです。ユーザーから相談された場合は、センサーや配線の点検を入念に行いましょう。
エンジン警告灯点灯後にパワーダウンした場合
エンジン警告灯が点灯し始めてから、一気に加速力が落ちるなどパワーダウンを感じる場合は燃料系や点火系に深刻な問題が潜んでいる可能性があります。このまま走行を続けると、エンジンに余計なストレスがかかり最悪の場合エンジンブローにつながる可能性も否めません。
エンジン警告灯が点滅し振動が大きい場合
点滅に加え、車体が激しく振動する場合はエンジン内部の燃焼サイクルに重大な乱れが生じているサインと考えられます。点火不良やシリンダー内の異常燃焼が原因となっており、放置すればエンジンに深刻なダメージを与える可能性が高いため、要注意です。
エンジン警告灯の消し方・リセット方法をおさらい

エンジン警告灯が点灯しているときは、まずは原因究明を優先しましょう。専用のスキャナなどを用いてコードを読み取り、必要に応じてリセットを行いましょう。ただし、エラーコードには複数の種類があり、適切な修理を行わずに消去だけしても不具合の再発を招くため、しっかりとした対応が大切になります。
バッテリーを外す方法もありますが、一時的に全てのエラーコードや学習データがリセットされます。しかし、これが原因でエンジンの再学習期間中にアイドリングの不安定や燃費の悪化が起こることがあるため、要注意です。さらに、本来の故障原因を覆い隠してしまう可能性もあるため、リセットだけで安心せずに必ず正しい点検と処置が必要です。
エンジン警告灯で発覚したトラブルでかかる修理費用はどのくらい?
トラブルの内容によって金額幅が大きく変わるため、一般的な費用相場を紹介します。
エンジン警告灯が点灯してからの修理費用は、その原因や重症度により大きく異なります。センサー交換だけで済む場合は数千円から数万円ほどで収まることもありますが、エンジン内部の大掛かりな修理が必要になると十数万円以上かかることも珍しくありません。早期発見できればその分費用を抑えやすいです。
部品交換だけでなく、作業工賃も金額を左右する要素として重要です。たとえばバッテリーやイグニッションコイルの交換は比較的安価ですが、ターボチャージャーや排気系統の部品となると高額になる場合があります。普段からユーザーとのコミュニケーションを取り、およその予算を確認することが大切です。
また、輸入車やハイエンドモデルであれば、部品の取り寄せに時間と費用がかかるケースも少なくありません。ディーラーでの純正パーツ交換と社外品パーツの選択肢も含め、あらかじめ費用面の検討をユーザーに提案しておくことが大切です。
交換が多いのはO2センサー、エアフローセンサー、イグニッションコイルなど、エンジン動作に欠かせない部品です。これらは比較的故障しやすい部品であり、相場はおおむね1万円から数万円程度と幅があります。複数箇所を同時に修理するとそれだけコストは高くなりますが、トラブルの再発を防ぐ意味でも必要な投資といえるでしょう。
エンジン警告灯の予防と点検のコツ

日常的なメンテナンスと定期的な点検で、トラブルを未然に防ぐことができます。
エンジン回りを良好に保つには、まずオイル交換を怠らないことが基本です。適切な時期にオイルを交換しておくことでエンジン内部の摩耗を防ぎ、センサーや排気系統に余計な負担がかかりにくくなります。オイルの定期交換と同時に他の消耗品も点検すれば、効率的にトラブルを回避できるでしょう。
燃料品質を意識するのも一つのポイントです。粗悪な燃料を使用すると、燃料フィルターや排気装置が詰まりやすく、燃費の低下や警告灯の点灯リスクを高めます。
簡易的な日常点検や異臭がする、振動が大きくなったなどの違和感があった場合は速やかに報告してもらえるように日頃からのコミニケーションを大切にしましょう。
こまめなオイル交換と定期メンテナンスが重要
エンジンオイルはエンジン内部で潤滑や冷却など多くの役割を果たします。摩耗したオイルを使用し続けると部品の劣化が進み、警告灯点灯のリスクも上がってしまいます。
定期的な交換と車検以外での点検を組み合わせることで、不具合の早期発見と修理費用の節約につながります。
再発防止や予防整備の選択肢としてエンジンオイル添加剤を活用しよう

エンジンの燃焼状態や潤滑を改善する手段として、エンジンオイル添加剤を活用する方法があります。最近では多くの整備士の方が導入しています。定期的に使用することでエンジンのコンディションを整え、結果的に警告灯の点灯を防ぐ可能性が高まります。
添加剤は種類が多いですが、車種や走行距離、エンジンの状態に合った適切なものを選ぶことが大切です。
BGのエンジンオイル添加剤「RF-7」は最強!その魅力を紹介

エンジン警告灯が点灯する原因のひとつに、圧縮不良や潤滑不全による異音・白煙の発生が挙げられます。こうした症状に対しては、エンジン内部の摩耗やパッキン類の劣化によってオイル上がり・オイル下がり・にじみ・漏れが起きているケースも少なくありません。
そうした状況に対応する添加剤として有効なのが、「RF-7」です。摩耗部のシール性を回復させ、オイル蒸発や圧力低下、異音・白煙の抑制に作用します。さらに、金属表面の腐食防止効果も持ち合わせており、エンジンのコンディション維持にも貢献します。
整備の現場でも、経年車の予防整備や軽度の症状改善用として重宝されており、コストを抑えてオーバーホールを延ばしたい顧客への提案にも適しています。
さらに、BGでは製品のバリエーションが豊富で、エンジン内部だけでなく燃料系やATFといった複数のシステムに対応しているものもあるため、気になる方はぜひチェックしてみてください。
エンジン警告灯への正しい理解と迅速な対処が大切

エンジン警告灯は車両の仕組みを守るために欠かせないシグナルであり、点灯・点滅の様子からトラブルの深刻度を見極める助けとなります。色やパターンによっては迅速に対応すべき重大な問題が潜んでいる可能性があるため、日頃の点検が何よりも大切です。
また、普段からオイル交換や定期メンテナンス、品質の良い燃料を使うなど、基本的なケアを継続することで警告灯が点灯するリスクを大幅に減らせます。センサーの誤作動も含めて、車の異常は早期発見・早期対処が肝心です。
エンジン不調を抑える補助としてエンジンオイル添加剤を活用するのも一つの手なので、ぜひ導入を検討しましょう。