ディーゼルエンジンオイルの種類を徹底解説!おすすめのエンジンオイルも紹介

ディーゼルエンジンオイルの種類を徹底解説!おすすめのエンジンオイルも紹介

ディーゼル車は、そのパワフルさと燃費性能の良さから、乗用車だけでなくトラックやバス、建設機械などさまざまな場面で活躍しています。

そんなディーゼルエンジンを長く快適に使い続けるために欠かせないのが、エンジンオイルの存在です。しかし、ディーゼルエンジンオイルには粘度や規格、用途ごとにさまざまな種類があるため、どれが最適なのか悩む整備士の方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、ディーゼルエンジンオイルの基本的な役割や種類を振り返り最後におすすめのエンジンオイルも紹介します。ぜひ日々の業務に取り入れられる部分があれば、参考にされてください。

ディーゼルエンジンオイルの種類

ご存知の通り、ディーゼルエンジンオイルには、用途に応じてさまざまな種類があり、主に以下のようなタイプに分けられます。

  • 乗用車向けディーゼルエンジンオイル
  • 大型・商用車向けディーゼルエンジンオイル
  • 建設機械・特殊車両用ディーゼルエンジンオイル

ここでは、これらの用途別オイルについての基本を踏まえた上で、ディーゼルエンジンオイルの「粘度」や「規格」といった種類や特徴について解説します。

ディーゼルエンジンオイルの粘度

ディーゼルエンジンオイルの粘度は、SAE(アメリカ自動車技術者協会)の規格によって「5W-30」や「0W-20」といった形で表示されています。表示の前半にある数字が小さいほど、低温でもオイルが固まりにくくなり、たとえば、5Wは氷点下30℃、0Wは氷点下35℃まで対応しています。

「W」はWinter(冬)を意味し、5Wよりも0Wの方が寒い環境でもエンジン始動時の負担が少なく、燃費の向上にもつながるとされています。また、スポーツカーや高出力ターボ車などでは、5W-40や0W-50のような表示のオイルが使われることもあります。

表示の後半にある40や50といった数字は高温時の粘度を示しており、この数字が大きいほど、オイルは高温でも適度な硬さを保ち、エンジンを高熱からしっかり守る性能を発揮します。

ディーゼルエンジンオイルの規格

ディーゼルエンジンオイルの規格には「API規格」「ACEA規格」「JASO規格」の3つがあり、エンジンの種類や使用環境に応じて適切な性能を確保するために定められています。

API規格

自動車用エンジンオイルの性能(品質)を定める基準としては、API(アメリカ石油協会)が策定した品質規格が広く利用されています。

ディーゼルエンジンオイルについては、1995年にAPI規格CG-4が制定されましたが、日本製エンジンで使われるすべりタイプの動弁系には摩耗防止性能が十分とはいえませんでした。そのため、API規格はその後CK-4まで改良されてきました。

油種

API規格

ILSAC規格

概要

ディーゼルエンジン油

CF

-

1994年に制定され、主にオフロード車向けの規格です。

ディーゼルエンジン油

CF-4

-

1990年に制定され、高性能なディーゼルエンジン車用です。

ディーゼルエンジン油

CG-4

-

1995年に制定されたディーゼルエンジンオイルの規格です。

ディーゼルエンジン油

CK-4

-

2016年に制定され、排ガス後処理装置に対応しています。

ACEA規格

欧州の自動車工業会(ACEA:Association des Constructeurs Européens d'Automobiles)は、独自の品質規格を定めています。

ACEA規格は、用途ごとに「A/B(ガソリン車および乗用ディーゼルエンジン用)」、「C(GPF・DPF付きのガソリン車および乗用ディーゼルエンジン用)」、「E(大型ディーゼルエンジン用)」の3つのグループに分類されています。

なお、ACEA規格の認証や品質管理は、EELQMS(European Engine Lubricant Quality Management System)という管理システムによって実施されています。

用途

分類

概要

ガソリン/乗用ディーゼルエンジン用

A3/B4-23

ガソリン/乗用ディーゼルエンジン用

A5/B5-23

燃費を高める性能があります

ガソリン/乗用ディーゼルエンジン用

A7/B7-23

燃費向上とLSPI(早期着火)防止性能があります

GPF・DPF付きガソリン/乗用ディーゼル用

C3-23

高粘度タイプ(HTHS粘度3.5mPa.s)です

GPF・DPF付きガソリン/乗用ディーゼル用

C4-23

高粘度タイプ(HTHS粘度3.5mPa.s)です

GPF・DPF付きガソリン/乗用ディーゼル用

C2-23

GPF・DPF付きガソリン/乗用ディーゼル用

C5-23

燃費向上性能があります

GPF・DPF付きガソリン/乗用ディーゼル用

C6-23

燃費向上とLSPI防止性能があります

GPF・DPF付きガソリン/乗用ディーゼル用

C7-23

さらに高い燃費向上とLSPI防止性能があります

大型ディーゼルエンジン用

E4-22

大型ディーゼルエンジン用

E7-22

高い負荷がかかるエンジン向けです

大型ディーゼルエンジン用

E8-22

清浄性が高く、後処理装置にも対応しています

大型ディーゼルエンジン用

E11-22

清浄性が高く、高負荷エンジンにも適しています

JASO規格

日本製エンジンに適したディーゼルエンジンオイルへのニーズに対応するため、JASO(日本自動車技術会)が2001年にJASO規格を初めて制定しました。その後も改訂が重ねられ、現在では広く利用されています。

JASO規格は、「GLV(ガソリンエンジン用)」「DL(乗用ディーゼルエンジン用)」「DH(大型ディーゼルエンジン用)」の3つのグループに分類されています。

油種

JASO分類

概要

ディーゼルエンジン油

DH-1

2001年に制定された大型ディーゼルエンジン用の基本規格です。

ディーゼルエンジン油

DH-2

2005年制定。排ガス後処理装置付き大型ディーゼル車に対応します。

ディーゼルエンジン油

DH-2F

2017年制定。後処理装置対応に加え、燃費性能も向上しています。

ディーゼルエンジン油

DL-0

2017年に制定された乗用車向けディーゼルエンジンオイル規格です。

ディーゼルエンジン油

DL-1

2005年制定。乗用車用で、後処理装置付き・超低灰分タイプです。

ディーゼルエンジン油

DL-2

2021年制定。乗用車用で、排ガス後処理装置に対応しています。

DPF詰まりを防ぐ種類のエンジンオイルも登場している

近年では、DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)の目詰まりの主な原因となる「ホワイトアッシュ(灰)」の発生を抑えた新しいタイプのエンジンオイルが登場しています。

これらは「アッシュフリー」や「ロースアッシュ」とも呼ばれ、従来のオイルに比べて金属由来の添加剤を極力使用せず、DPFへの負担を大きく減らすことができます。たとえば、出光興産が開発した「出光アッシュフリー」は、金属系添加剤を使わないことで灰の発生を抑え、DPFの目詰まりリスクを大幅に低減した製品です。

こうしたアッシュフリーオイルは、DPF搭載車を長く快適に使い続けたい方や、メンテナンスの手間を減らしたい方にとって、非常に注目されている新しいエンジンオイルとなっています。

ディーゼルエンジンオイルの主な役割

ディーゼルエンジンオイルとは、ディーゼルエンジン専用に設計された潤滑油です。ディーゼルエンジンオイルには、エンジンの性能を維持し、寿命を延ばすための重要な5つの役割があります。

潤滑する作用

エンジン内部では、ピストンやシリンダーといった金属部品が高速で動いているため、どうしても摩擦が生じます。

ディーゼルエンジンオイルは、これらの部品の間にしっかりと油膜を作ることで摩擦を減らし、部品のすり減りや焼き付き(部品がくっついて動かなくなるトラブル)を防ぎます。その結果、エンジンがなめらかに動き、長く安心して使い続けることができるのです。

密封する作用

エンジン内部のシリンダーとピストンの間には、目に見えないほど細かな隙間があります。この隙間から燃焼ガスが漏れてしまうと、エンジン本来の力が十分に発揮できません。

ディーゼルエンジンオイルは、こうした隙間を油膜でしっかり密閉し、圧縮漏れを防ぐことでエンジンのパワーや効率を維持します。特に高い圧縮比で動作するディーゼルエンジンでは、この密封効果がとても重要な役割を果たします。

冷却する作用

ディーゼルエンジンは燃焼中に高温になりやすく、部品が過熱するとエンジンの性能が落ちたり、故障の原因になることがあります。エンジンオイルはエンジン内部を流れながら各部の熱を吸収し、その後オイルパンなどで冷やされて再び循環します。

こうしてエンジン全体の温度を適切にコントロールすることで、オーバーヒートを防ぎ、エンジンが安定して動く状態を保っています。

洗浄する作用

ディーゼルエンジンは燃焼する際に、ススやカーボンなどの汚れがどうしても発生します。こうした汚れがエンジン内部にたまってしまうと、エンジンの性能が落ちたり、故障につながることがあります。

エンジンオイルには、これらの汚れをしっかり分散させて洗い流す働きがあり、エンジン内をきれいな状態に保つ役割があります。そのためにも、定期的にオイルを交換して洗浄効果を維持することが大切です。

防錆する作用

エンジン内部では温度の変化によって結露が起こり、水分が金属部品に付着して錆が発生しやすくなります。

エンジンオイルは金属表面に油膜を作ることで、水分や酸素が直接触れるのを防ぎ、錆や腐食を抑える役割を果たします。これによって、エンジンの耐久性や信頼性を高めることができます。

ディーゼルエンジンオイルとガソリンエンジンオイルとの違い

ディーゼルエンジンオイルとガソリンエンジンオイルは、どちらも「潤滑」「冷却」「密封」「洗浄」「防錆」といった基本的な役割は共通しています。

ただし、エンジンの構造や燃焼の仕組みが異なるため、それぞれのエンジンに合わせてオイルに求められる性能や配合される成分には違いがあるのが特徴です。

ディーゼルエンジンオイルに求められる性能

ディーゼルエンジンは、圧縮した高温の空気に軽油を直接噴射して自己着火させる構造を持ち、燃焼効率が高い反面、燃焼時にススや硫黄酸化物などの汚染物質が多く発生します。こうした有害な成分は、エンジン内部の汚れや金属部品の腐食を引き起こす原因となるため、ディーゼルエンジン用オイルにはそれらに対応するための特別な成分が加えられています。

たとえば、発生したススやカーボンなどの汚れを分散させてエンジン内にたまりにくくする「清浄分散剤」が使われています。また、燃焼の過程で生じる酸性の硫黄酸化物を中和し、エンジン内部の腐食を防ぐための「アルカリ性添加剤」も配合されています。

これらの添加剤によって、ディーゼルエンジンの厳しい燃焼環境でもエンジンの性能や耐久性が保たれる仕組みになっています。

ガソリンエンジンに求められる性能

ガソリンエンジンでは、空気と燃料をあらかじめ混合し、それを圧縮して点火プラグで着火・燃焼させる仕組みを採用しています。

この燃焼方式は、ディーゼルエンジンに比べて燃焼時に発生するススや硫黄酸化物などの汚染物質が少ないため、エンジンオイルに求められる清浄力や中和力もそれほど強くはありません。

そのため、ガソリンエンジン用のオイルには、標準的な洗浄性能を備える程度で十分であり、アルカリ性添加剤の配合量もディーゼル用に比べて控えめです。また、エンジンの回転効率や燃費性能を重視して、粘度の低いタイプのオイルが多く採用されているのも特徴です。

こうした特性により、ガソリンエンジン用オイルはスムーズな始動性や省燃費性能の向上に貢献しています。

ディーゼルエンジンオイルはガソリンエンジンに使える?

ディーゼルエンジン用のオイルをガソリンエンジンに使っても、すぐにエンジンが壊れるということはありません。また、「古いガソリンエンジンにはディーゼル用オイルが良い」といった声もありますが、これについては明確な根拠がなく、信頼できる情報とはいえません。

やはり、ガソリンエンジンにはガソリンエンジン専用のオイルを使うのが最適です。そのほうが、エンジン本来の性能をしっかり発揮できます。

特に、ディーゼルエンジンはもともと回転数が低い設計ですが、ガソリンエンジンは高回転で使われることが多いため、高回転域でも安定した性能を発揮できるガソリンエンジン用オイルを選ぶのが安心です。

ガソリンエンジンオイルはディーゼルエンジンに使える?

ディーゼルエンジンにガソリンエンジン用のオイルを使用するのは避けるべきです。ガソリン用オイルでは、ディーゼルエンジン特有の燃焼で発生する硫黄酸化物を十分に中和できません。

そのまま使い続けると、硫黄酸化物などの汚れがエンジン内部にたまり、腐食やトラブルの原因になる可能性があります。ディーゼルエンジンには、必ずそのエンジンに適合した専用のオイルを選ぶことが大切です。エンジンを長く良い状態で使い続けるためにも、オイル選びは慎重に行いましょう。

ディーゼルエンジンオイルの交換時期目安は?

ディーゼル車は軽油を燃料として使用していますが、軽油には硫黄成分が多く含まれているため、燃焼時にススなどの汚れが発生しやすい特徴があります。そのため、ガソリン車と比べてエンジンオイルの交換頻度を高める必要があります。

オイル交換の目安は、一般的に走行距離10,000キロまたは1年ごとが基準とされていますが、悪路や坂道が多い環境で走行する場合はエンジンへの負担が大きいため、5,000キロまたは半年ごとの交換が推奨されます。

さらに、ディーゼルエンジンのオイルは見た目では汚れ具合を判断しにくいため、走行距離や前回の交換時期をきちんと管理して、適切なタイミングで交換することが大切です。

ディーゼルエンジンオイルにはBGの「DOC」がおすすめ!

ディーゼルエンジンオイルにはさまざまな種類があり、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。そんなときにおすすめしたいのが、BGの「DOC」です。

BGはアメリカ発のケミカルメーカーで、世界中の自動車整備士やプロから高い評価を受けている信頼のブランドです。長年培ってきた技術とノウハウにより、大切なエンジンをしっかり守り、最適なコンディションへ導いてくれる製品を数多く展開しています。

ここからは、DOCの詳しい製品情報と、その魅力についてご紹介します。

DOCとは?

DOCは、ディーゼルエンジン専用に開発された高性能のエンジンオイル添加剤・強化剤です。エンジンが過酷な環境下で長時間使用される場合でも、オイルの性能をしっかり維持しながらエンジンを保護します。

エンジンをできるだけ長持ちさせたい方や、パワーや静粛性をしっかり引き出したい方、メンテナンス性を重視する方におすすめの製品です。

DOCの特徴

DOCは、摩擦抵抗を極限まで低減することで静粛性を高め、エンジン内部のパーツの摩耗も大幅に抑えます。特にピストンリングやバルブなどの構成部品を最適な状態に保つ設計となっており、エンジンの圧縮力を高めてレスポンスやパワーを最大限に引き出します。

また、独自の「ゆっくり洗浄効果」によって、エンジン内部にたまったカーボンやスラッジなどの汚れも分解します。さらに、TFOUT(薄膜酸化安定試験)やASTM D4742(米国材料試験協会)のテストでは、アメリカ大手メーカーのSL級オイルと比較して200%以上の優れた酸化性能を実現しています。

ディーゼルエンジンオイル添加剤(325ml BG112)はこちら

ディーゼルエンジンオイル添加剤(946ml BG11232)はこちら

DOCの効果

DOCを使用することで、エンジンの本来のパフォーマンスを回復し、長期間にわたり安定した状態を維持できます。エンジンノイズが抑えられ、静かで快適な走行が可能になります。

また、エンジン内部のスラッジや汚れの発生が防がれるため、メンテナンスの手間が減り、エンジン寿命の延長にもつながります。さらに、摩擦や摩耗によるトラブルを防止し、酸化や凝固からエンジンを守ることで、安心して長く車を使い続けられるメリットがあります。

DOCの使い方

DOCはディーゼルエンジン専用のエンジンオイル添加剤です。ガソリン車には使用できませんので、ご注意ください。容量には「BG11232(946ml)」と「BG112(325ml)」の2種類があります。

BG11232(946ml)は、エンジンオイル12〜15リットルに対して946mlボトルを1本添加します。BG112(325ml)は、エンジンオイル5リットルに対して325ml缶を1本添加してください。

どちらも、オイル交換時またはオイル交換の合間にクランクケースへ加え、オイルレベルがフルマークになるよう調整してください。オーバーフィル(入れすぎ)には十分ご注意ください。また、エンジン内部に過度なスラッジ(汚れ)がすでに大量に発生している場合は、事前に専門業者へご相談すると安心です。

ディーゼルエンジンオイルの種類で悩んだらDOCで決まり!

ディーゼルエンジンを長く良好な状態で使いたい方には、BGの「BG112 DOC」がおすすめです。エンジンの保護はもちろん、パワーや静粛性、燃費の面でも高い効果を発揮します。

最新技術にも対応しており、メンテナンスの負担も軽減できます。オイル選びで迷ったら、ぜひ一度「DOC」をお試しください。

ディーゼルエンジンオイル添加剤(325ml BG112)はこちら

ディーゼルエンジンオイル添加剤(946ml BG11232)はこちら

ブログに戻る